1. HOME
  2. ブログ
  3. リアル大安寺の365日

リアル大安寺の365日

R5.2.18.リアル大安寺の365日

『大安寺の365日』出版を記念して大安寺副住職河野裕韶師のトークイベントを桜の間で開催いただきました。

書籍の帯に「25歳、僕は銀行員を辞めてお坊さんになった」と端的な表現がされているとおり、南都銀行生駒支店にお勤めだった裕韶さんが、一つ年上の女性と出会ってお坊さんになるまでのお話は是非是非書籍でお読みいただきたく思います。

大王(おおきみ)のお寺だから「大寺」というのだそうですが、天皇自ら発願なさった歴史上最初の天皇立寺院が大安寺なのです。聖徳太子の私的空間であった熊凝精舎にはじまり、百済大寺→高市大寺→大官大寺→大安寺と度重なる移転と寺名変更を経てきました。平城京遷都に伴い、大官大寺は716年に大安寺として遷ってきて大繁栄の時代を過ごします。奈良時代、薬師寺と大安寺は肩を並べツートップとして平城京を守っておられました。仏教の総合大学としても千人を超える学僧が集われたとも。空海さんも最澄さんも大安寺にお住まいでした。まさに日本一の大寺であったのですね。

国内外の名だたる名僧が名を連ねた総合大学でもあり、迎賓館でもあった大安寺も、東大寺の創建と平安遷都により筆頭官寺の地位からみるみる序列が下がっていきます。度重なる天災にも見舞われ、1596年の地震によって壊滅的な状態となり、大安廃寺と呼ばれた時代もあったそうです。

明治期に入って河野清晃師が大安寺住職に就任、本格的な復興に着手なさったのだそうです。それはそれはパワフルなご住職であられたようです。時を重ねて今、河野裕韶師が大安寺に真心を尽くして貢献なさっています。河野副住職曰く、日本一の大官大寺であった時代もあり、大安廃寺と呼ばれる時代もあり、「高低差日本一の寺」故にあとは「伸びしろだらけのお寺」、それが大安寺だそうです。

今回は河野副住職の謙虚で真摯なお人柄にたっぷり触れることができ、大変うれしい1時間30分でした。ご参集くださった皆様ありがとうございました。

南都大安寺ではただいまクラウドファンディング第二弾宝物殿を増改修し、天平仏を次世代へ受け継ぐ挑戦中でいらっしゃいます。目標金額達成なさいますよう応援申し上げます!

関連記事