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尾花座復活上映会2021ご来場ありがとうございました

7月23日(金)から25日(日)までの三日間、尾花座復活上映会を開催いたしましたところ、連日たくさんのお客様にご来場賜りありがとうございました。尾花の地で映画を見たいと毎日のように通ってくださるお客様と、この上映会を成功させようと汗をかいてくださるなら国際映画祭実行委員会の皆様の熱気で活気のある連休を過ごすことができました。

また、初の試みとして復活上映会期間中ロビーに素敵な二つのお店が出張してくださいました。御所市のpickles-yaさんのビネガードリンク試飲会、そしてならまちCONFECTIONさんのパンセット販売です。
いずれも上映会の為にしっかりご準備くださってロビーもにぎやかなマルシェの雰囲気を醸し出しておりました。この場所でそれぞれのお店の商品を知ってくださった方も多く、ご縁つなぎのお手伝いができたこと、誇らしく嬉しく思っております。

今回お届けしました日本映画は「女性の選択」というテーマのもとに選ばれた三作品でした。


藤元明緒監督『海辺の彼女たち』は奈良においては初上映だったのではないでしょうか。最も多くの観客を集めました。
ベトナム人技能実習生の「選択」が大きなテーマではありますが、果たして彼女たちに選択の余地があったのでしょうか。
現実に起きていることを映画という窓から見つめる時間でした。
藤元監督もZOOMで参加くださいまして様々なエピソードをご披露くださいました。
オーディションの際には実際に技能実習生としての経験がある方も応募されたそうですが、
初めて日本に来た感覚を大事にしたいと来日したことのない女優さんを選ばれたことなど興味深く拝聴しました。
前作の『僕の帰る場所』もここで上映させていただきましたし、2019年のユース映画製作WSでもここで講師を務めていただきました。
是非また新作もここで上映させていただけたら嬉しいです。

©2016「湯を沸かすほどの熱い愛」製作委員会

中野量太監督『湯を沸かすほどの熱い愛』は本当に熱かった!
エピソードの多さをものともせずぐんぐんと観客を惹きつけていく技量に圧倒されました。
「余命もの」は数あれど、この展開は衝撃です。…ネタバレを避けようとすると語彙が乏しくなりますね。
日本映画を代表する俳優陣も魅力です。やせ細っていく宮沢りえさんの渾身の演技はもちろん、今年前半は『おちょやん』に首ったけでしたので、杉崎花さんから目が離せず、うまいなぁと感心しきりでした。
お帰りになるお客様方の目が赤くなっているのを確認いたしますと、小屋主としてはなんともいえぬ達成感がございました。

©2003「ジョゼと虎と魚たち」フィルムパートナーズ

犬童一心監督『ジョゼと虎と魚たち』はかなり懐かしい作品です。脚本家渡辺あやさんのデビュー作品なんですね。田辺聖子さんの短編を見事に長編映画作品に昇華させています。ジョゼは最後は恒夫に捨てられるのではなく、捨てるのですよね。原作には無いけれども予感されている二人の別れを見事に力強く描きました。渡辺あやさんはNHKの土曜ドラマ『今ここにある危機と僕の好感度について』も恐ろしく面白かったです。映画『逆光』も公開中ですね。
さて、この作品はなんと海をちょっとだけ超えて韓国でリメイクされたようです。韓国版『ジョゼと虎と魚たち』は今年10月29日から劇場公開、どんなふうにリメイクされているのでしょうか楽しみですね

長々と感想を書き連ねましたが、当ホテルで映画の上映会ができるのも、なら国際映画祭実行委員会の皆様のおかげです。引き続き小さな上映会が継続できますように。どうぞよろしくお願い申し上げます。

追記


このあと、宮沢りえさんの事務所からお手紙ありがとう、のお知らせがきたそうです!手書きの手紙が届くには紆余曲折がありますが、届くとその熱量は伝わるのですね。感激です。

 

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